遊戯王における便所ワンキルの初出はどこにある?

 クソ戦法の一つとして海外で編み出されたと伝わる便所ワンキル。この話題元ソースはどこかということが気になったので、覚書として残しておく。

 

 

まずは、ネットの海へ

 まず便所ワンキルの概要は「先手を取ったトリックスターがマンジュシカを立てた後、トイレに行き時間制限まで時間をつぶす。終了直前に席に戻り、相手ドローをさせることでバーンダメージを与える。時間がこの時点で終了するのでトリックスター側の勝ち」というもの。これを調べてみる。

 簡単にググる限りだと、ふたばか2chの書き込みのどちらかが便所ワンキルの初出である。*1*2

 そして、ふたばのログは消える仕組みであるので信頼性は薄いがまとめてみる。2019/6/1 に海外遊戯王のEXターンが廃止(これは事実)→2019/6/13の書き込みで海外での便所ワンキルの話題(ここの元ソースはない)が出てくる。*3

 EXターンの廃止*4があったのは本当。

 EXターン廃止でバーンやトリスタが強くなるといった認識が5月後半から(少なくとも)日本でも語られていた。もっというと、EXターンがあったときから、トリックスターを利用したデッキでの遅延行為が問題視されていた。*5

EXターンの廃止がされてからのデュエルを調べてみる。

 先程のルール改正が2018/6/1であるから、それから行われた最初の海外大会を漁ってみる。

 ツイッターで見つけられた初出はこれになる。

※文中のCecaucusはSecaucusの誤り

 文中のロスタイムはジャッジの権限で付与されるものらしいが、ルールーのF&Qには載っていないので真偽は不明。しかし、便所ワンキルの原型と言ってもよいだろう。

 このユーザーも記事を見ての*6発言らしいので、その記事を探せば良さそうだ。

記事を探して三千里

 探してみるも、その記事自体はなかなか見つからないが、興味深い書き込みをいくつか見つけることができた。1つ目が、「Secaucusでは1ラウンド30分かかっていた」「トリックスターが遅延行為しているのを見た」といった海外の書き込み。*7

2つ目が、

 といった、海外レポのツイート。

3つ目はYCS Secaucusのトップ32までの大会レポート。*8

しかし、ここからは、便所ワンキルを発見することはできなかった。

状況証拠から便所ワンキルの初出を推測してみる

 残念ながら、便所ワンキルの初出を掴むことはできなかった。しかし、多くの状況証拠があるのでそこから便所ワンキルの実態を推測してみる。

 

①EXターンの廃止によって、トリックスターに有利な環境が整っていた。

②Secaucusでは、EXターン廃止後の最初の大型大会ということもあり、遅延行為などが多発していた。

③そして、その遅延行為の中にトイレに行き時間を潰すといった手段が開発された。

④しかし、その行為は大会では実績を残せず、また、トイレの禁止や非スポーツマン行為などで便所ワンキルは行われなくなった。

 以上より、便所ワンキルはネタの知名度に反比例してほとんど行われなかったと考えられる。