ブルアカ考察 調月リオは救われるか 時計じかけの花のパヴァーヌ2章は「つまらない」のではなく「足りない」 その0

 その1〜その3を読み直したのですが、怒りに任せて書いた部分も多く、読みにくい内容になっています。シナリオ、特殊作戦、アートワークスを見てから、それぞれ新しく書いている関係で、後付も多く連続性がありません。

 そこで、内容の要旨をまとめ、私の主張をはっきりさせるために簡単ですがまとめておきます。その1〜その3を読まれた方はかぶる内容も多いので特に読む必要はありません。

0 はじめに

 書いた理由と私の立場

 私は、シナリオを読み、リオに同情しました。まず、リオの行動の理由も納得できるものであり、手段だけを持って悪役とみることができませんでした。また、彼女が非難される行動を取ったことは理解できましたが、私自身、つまりプレイヤーとして、リオが行動を移す前や後に先生らしく行動できてないところに不満を持ちました。更に、リオ自身がシナリオでも2度の失踪など不遇な扱いであることへの怒りも、筆を執った理由の一つです。加えて、ファンコミュニティの中でもリオに同情する意見が少数派であるため、できる限り彼女への低い評価を取り除きたいと思いました。

 他に、アートワークスや開発者コメンタリーなどから、パヴァーヌ2章が、本来実装予定ではない2周年前に急遽実装になったことや、2周年への締切がある中で作られたことへの、クオリティへの疑念も多少含むことをご容赦願いたいです。

1 先生への不満

 さて、まず私が先生に望むのは生徒へのフォローです。率直に言えば、先生は生徒の味方であり、生徒の行動をフォローし、それでも難しいときはその障害を取り除き、生徒が生徒らしく生活を送れるようにしてほしいと思っています。

 さて、今回のリオに関しては、「もっと先生として動いてほしかった」というのが、私の感想です。

 まず、先生への要望を述べます。

①「生徒会の立入禁止地区に入り、謎のアンドロイドを連れ帰る」事自体は良いとしても、アリス自身の言動やその戦闘能力から、アリス自身への疑念を抱く、もしくは、発見場所が生徒会の立入禁止であるので、先生がアリスが何者であるのか?といった調査を行ってほしかったです。

②また、暴走後〜アリス救出までの間は、救出のために時間ないため調査を行うことは難しいかも知れませんが、せめてその後にアリスの調査を行ってほしかったです。

 ①を望むのは、先生がアリスについて、十分怪しいところはあるのに調査らしい調査を行わないのは、先生の責任を取る行動にしては、不作為のように感じるからです。

 ②を望むのは、①ができなくとも、せめてアリスが危機を内包していることがわかったあとには、大人としてその危機に対処するために行動を起こしてほしいからです。

 実際には、①②が行われていないので、本来なら先生が責任を背負うところをリオに背負わせてしまったように感じました。リオが先んじて調査をし、アリスの危険性に気づき、行動を起こしてしまったのを責められるのに対して、先生は幾度と気付けるチャンスがあったのを見逃し、それを責められることのない非対称性に居心地の悪さを覚えます。

 そして、調月リオの一度目の失踪後にも、調査しないという姿勢は、アリスのためにもならず、調月リオの叱責後の態度としては不適切であると感じます。

 そもそも、この世界ではVol1で見られたとおり、黒服、カイザー、金貸しなど悪い大人も多く、そもそも大人に頼ること自体が、一般的ではありません。また、リオの立場から見れば、「生徒会の立入禁止地区から謎のアンドロイドを持ち込む怪しい大人」です。だからこそ、先生が先んじて動き、相談を受けれる姿勢を取るために行動してほしかったです。せめて、②を行うことで、先んじて調査をできなかったことに対して先生としての責任を果たしてほしいと感じました。

2 シナリオへの不満

 今回のシナリオでも重要視された、第三の選択肢、すなわち誰かを頼ることの大切さが説かれています。

 ですが、シナリオを俯瞰すると、未だに「アリスについて詳しく知らない」ままのユウカや、

なぜだか、情報共有をしたがらないヒマリ、

また、当事者さえも情報共有をされないままいることがわかります。

 また、上のシーンで言えば、アリス関係の情報が開示されないまま、方舟ではアリス消滅の危機を迎えてしまいます。

 すると、先生がリオにかけた言葉のありがたみが薄れてしまいます。

 また、今回のシナリオでは、精神ダイブという危険な方法でもKEYを抹消できないという、アリス破壊以外の問題解決がかなり難しいものであり、それ自体を咎められるのは酷なことと思えました。シナリオとしてみても、苦しい選択肢を選ばざるを得なかったリオにフォローできなかったことや、失踪後も彼女の立場や苦悩を他のミレニアム生に共有できていないことも、不満に思いました。

3 シナリオへの疑念

 さて、ここまで書いたことは、あくまで私が思うことであり、「シナリオで描写されてないだけで、行動を起こしてるだろうし、なにかしらの事情もあるだろう」といった擁護できます。私も「考察その1〜その2」では、その路線で整合性を保とうとしています。

 ですが、ちょっと内情を見ると、制作時間が不足しているからでは?と思う情報がありました。

 

 まず、開発者コメンタリー曰くisakusan氏からパク・ソンミン氏に依頼があり、「成立すべきこと、次にユーザーに伝えるべきこと もしくは伝えてはいけない、構成案のプロットを作って伝えられた」「実はかなりタイトなスケジュールで非常にラフなプロットを渡したのですがプロットの抜けている部分や矛盾点をうまく解消してくれて個人的にとても感謝しています」と話しています。
 また、アートワークスのなかでは、本来は時間の問題から最終編前に実装されることはなかったことが判明していますし、ゲームディレクターLimJongGyu氏は「isakusanさんが「どうしてもやりたいです!」とシナリオのあらすじを持ってきて」と発言しています。

 どちらも共通するのはかなりタイトな締切で行われたとのことも話しており、上で指摘したようなシナリオの不自然さは、制作現場の時間のなさが関係しているのでは?と疑念を持っています。上で指摘したリオのフォロー周りもそうですが、例えば、シナリオでの、リオの失踪→復活→失踪の動き、シナリオの盛り上がりに比例してトキのC&Cの加入の淡白さ、あまりにも早いkeyとの和解と消失などが挙げられます。

4 まとめ

 上の項で、私の立場、考え、疑念について述べました。

 パヴァーヌ2章はつまらないのではなく「足りない」、すなわち描写や生徒へのフォローが足りず、また、それに加えて制作における時間なども足りないと言うのが私の立場です。

 簡単な文章ですがここで筆を擱きたいと思います。

 以下にその1からその3を載せます。ほとんどは整合性チェックとなっております。

 

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